翻訳とは伝言ゲーム
子供の頃や、何かしらの催し物で「伝言ゲーム」を行った事はないでしょうか。
「伝言ゲーム」とは、一定以上の人間が横一列に並び、予め決められている文章があり、それを、初めの人間から隣の人間に耳打ちしながら次々と伝えて行き、最後の人間にどの様に伝わっているかを楽しむゲームの事を指します。
これは、一度行って見ると分かるのですが、案外難しく、聞き取れなかった部分などは自分で判断して隣に伝えてしまうために、最初の文章が、全然違ったものに変わっている事があります。
そして、翻訳とは、この伝言ゲームの様なものなのではないでしょうか。
翻訳する媒体は決まっており、それを翻訳家や翻訳会社が翻訳するのですが、曖昧な表現の物は翻訳家や翻訳会社が判断を下し読者に伝えます。
そして、読者も、翻訳家や翻訳会社の意図を読み取り、文章を理解しようとする流れなどを考えると同様な気がします。
もしも、英語の文章を日本語に翻訳して、翻訳した日本語の文書を英語の文章に翻訳し直す様な行為を繰り返したならば、何度目かで全然違った文章になってしまうと思いますし、もしかしたら、既存であるのかもしれませんが、そう言ったゲームも中々面白いかもしれません。
直訳と応用
ある翻訳会社では、経験の浅い翻訳家を育成する為に、一つの媒体に対して、全ての文章を直訳させた版と、全ての文章を直訳ではなく、翻訳家なりの表現に直して翻訳した版の、2種類で翻訳させると聞いた事があります。
手間はかかりますが、そうする事で、直接的に翻訳した時の文章力と、崩して翻訳した時の文章力が身につきますし、比べて見る事で、その場面にはどちらの表現があっているかを知る事が出来るので、その翻訳会社は優れた翻訳家を在籍させる事が出来るのです。
例えば、「Flightする」と言う文章でも、直訳すると、「飛行する」になると思いますが、表現の仕方によっては、「旅行便に乗った」などにする事によってなんの目的での「Flight」なのか説明する事もできます。
本来ならば、両方をあわせて翻訳する事が理想なので、その二つを組み合わせたらしっかりと翻訳した媒体が出来上がるかもしれません。
これらを考えみると、翻訳において、直訳とは基本で、崩して翻訳する事は応用と言えるのではないでしょうか。
基本がしっかりしていなければ、応用が上手くいくはずがありませんし、基本ばかりでは、見ている方も疲れてしまいますので、両方が必要となってくるのです。